🌱 35年以上、子どもたちとともに。M先生が語る「みなと学園で学ぶこと」
みなと学園には、長い年月にわたって子どもたちの成長を見守り続けている先生方がいます。
今回お話を伺ったのは、35年以上にわたってみなと学園で教えているM先生。
以前インタビューをさせていただいたA先生と、ほとんど同じ時期にみなと学園で教え始めたM先生。長い年月の中で、たくさんの子どもたちと出会い、その成長を見つめてきました。
先生が初めて担任したのは小学5年生のクラス。そのときの教え子たちのことも、今でもよく覚えているそうです。
そして、長く教員を続けているからこその、こんな嬉しい再会もありました。
かつてM先生が教えた生徒が、今度は自分の子どもをみなと学園に通わせ、その子どもを連れてM先生のクラスへ挨拶に来てくれたのです。
「教え子が親になって、その子どもが今度はみなと学園で学んでいる。」
長い年月を経て、学びの場が次の世代へとつながっていきます。
みなと学園で長く教えてきたM先生だからこそ感じる、特別な瞬間なのかもしれません。

💪「みんな、よく頑張っています」子どもたちから感じるエネルギー
35年以上、たくさんの子どもたちを見てきたM先生。
「今のみなと学園の子どもたちを見ていて、成長にやりがいを感じますか?」
そう尋ねると、先生は子どもたちの頑張りについて話してくださいました。
みなと学園の子どもたちは、平日は現地校に通い、土曜日にはみなと学園で学んでいます。
それだけでも決して簡単なことではありません。
それに加えて、スポーツや音楽などの習い事やさまざまなアクティビティに取り組んでいる子どもたちもいます。
そんな子どもたちを見て、M先生が感じているのは、
「みんな、よく頑張っている。そして、エネルギーがある。」
ということ。
現地校でも頑張り、みなと学園でも頑張る。
さらにそのほかの活動にも挑戦する。
大変なことがあっても、それでも「みなと学園が好きだから」と土曜日に通ってくる子どもたちがたくさんいることを、先生は素晴らしいことだと感じています。
35年以上、時代とともに子どもたちを見てきたM先生だからこそ、その言葉には、子どもたちへの温かいまなざしが感じられます。
📚 限られた時間だからこそ、「分かる」ための工夫を
補習校での授業は、日本の学校と比べて限られた時間の中で進めなければなりません。
そんな中で、M先生が特に大切にしているのが、子どもたちが「知らない」ことを前提に、丁寧に説明することです。
みなと学園には、日本に住んだ経験のない子どもたちもたくさんいます。
日本で生活している子どもたちにとっては当たり前の言葉や文化でも、海外で育った子どもたちにとっては、初めて聞くものも少なくありません。
例えば、高校2年生の国語で学ぶ夏目漱石の『こころ』。
作品の中で象徴的な意味を持つ「襖(ふすま)」という言葉一つをとっても、実際に見たことがない子どもがいます。
言葉の意味を説明するだけでは、なかなかイメージできません。
だからこそ、M先生は実際のものをビジュアルで見せるなど、子どもたちがイメージできるような工夫をしています。
また、作品を理解するためには、言葉だけでなくその時代の背景を知ることも大切です。
中学3年生で学ぶ魯迅の「故郷」では、近代以前の古い中国の歴史や時代背景を知らないと、作品を深く理解することが難しい場合があります。
限られた授業時間の中でも、必要な背景を丁寧に説明し、
「知らないから分からない」で終わらせない。
分かるための土台をつくってあげる。
それが、M先生が長年大切にしている授業の工夫です。
🌱 日本語教育を超えて伝えたいこと
M先生に、子どもたちと接する中で「日本語の勉強以上に伝えたいこと」を尋ねました。
先生が大切にしているのは、
「自分を信頼して、自分の進みたいところを目指して続けていれば、道は開ける」
ということ。
海外で生活しながら日本語を学ぶ子どもたちには、時には難しいことや、思うようにいかないこともあるでしょう。
それでも、自分自身を信じて、自分が進みたい方向へ向かって続けていく。
その先には、自分なりの道がきっと開けていく。
長い年月、たくさんの子どもたちの成長を見てきたM先生だからこそ、子どもたちに伝えたい言葉なのだと感じます。
🤝 行事を通して、先輩から後輩へ
最近、みなと学園では中高生による熊本地震の募金活動や、小学生サポートプログラムなど、子どもたちが中心となって取り組む活動がありました。
「行事を通して子どもたちが成長する」とよく言われますが、M先生自身も、長年その成長を実感してきたそうです。
みなと学園の行事では、高学年の生徒が中心となって下級生を引っ張っていく場面が多くあります。
運動会でも、さまざまな行事でも、先輩たちが前に立って活動する。
その姿を見た後輩たちが、今度は自分たちが上級生になったときに、同じように後輩を引っ張っていく。
そうして、少しずつ受け継がれていくものがあります。
もちろん、行事を行うためには、保護者や先生方の準備やサポートも欠かせません。
「大変なこともあるけれど、それでもやる価値がある。」
そうM先生は話します。
今回の熊本地震の募金活動でも、中高生たちはすぐにポスターを作るなど、自分たちから動き始めました。
誰かにすべて準備してもらうのではなく、「自分たちでやろう」と動く。
そんな姿を見ることが、先生にとっても子どもたちの成長を実感する瞬間なのだそうです。
👀「先生の頑張りを、生徒はよく見ている」
「子どもたちと接していて、自分自身が育てられていると感じることはありますか?」
この質問に対して、M先生は「たくさんある」と答えてくださいました。
特に、授業の準備を一生懸命したときには、子どもたちの反応が違うそうです。
先生がどれだけ準備をしたのか、どんな工夫をしたのか。
生徒たちは、先生が思っている以上によく見ています。
だからこそ、先生が頑張れば、生徒たちもその頑張りに応えてくれる。
補習校という限られた時間の中で、授業内容のポイントをしっかり絞りながら、子どもたちに伝えていく。
そんな子どもたちの姿を見て、M先生自身も「よく頑張っているな」と感心することがあるそうです。
教える側と教わる側。
一方通行ではなく、お互いに刺激を受けながら成長していく。
それも、みなと学園の土曜日の教室で長年続いている大切なつながりなのかもしれません。
🌏「みんなで変えていける大人になってほしい」
最後に、M先生に「子どもたちに将来どんな大人になってほしいですか?」と伺いました。
先生が願うのは、自分の生活や自分の利害だけを考えるのではなく、社会や世界にも目を向けられる大人になること。
これから子どもたちが大人になる頃には、地球温暖化をはじめ、世界的なさまざまな問題がさらに大きくなっているかもしれません。
だからこそ、
「それをみんなで変えていけるような大人になってほしい。」
と先生は話してくださいました。
自分のことだけではなく、周りの人のこと、社会のこと、そして世界のことを考える。
一人では難しいことも、みんなで力を合わせれば変えていけるかもしれない。
35年以上にわたって、たくさんの子どもたちの成長を見守ってきたM先生。
かつて教えた子どもが親となり、その子どもが今、みなと学園に通っているのです。
そんな長い年月のつながりの中で、M先生が子どもたちに伝え続けているのは、日本語や国語の知識だけではありません。
自分を信じて進むこと。
仲間と力を合わせること。
そして、誰かのため、社会のために行動できる人になること。
これからも、みなと学園の教室で、子どもたちの成長を温かく見守ってくださる先生の言葉が、次の世代へとつながっていきます。🌱✨


